漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 悲壮 」 一覧

第194夜 可憐な悪夢と、凄惨な現実を、その日記に…『アノネ、

「誕生日にもらった鍵つきの日記帳は/秘密の扉みたい/床におくと鏡にもなるの/のぞきこむと/未来がみえる」「花子/花子/どうしてこんなことに」「太郎さん/太郎さん/あのね――」


アノネ、(上)

『アノネ、』今日マチ子 作、秋田書店『エレガンスイブ掲載(2011年2月~2013年4月)

 自由の国、邦照国(ネーデルランド)。しかし、宗主国である新制帝国は“東方狩り”と呼ばれる人種隔離政策を開始する。
 東方系である浅田花子(あさだ・はなこ)と姉の真子(まこ)、両親たちの一家もその対象となり、彼らは父親の会社の屋根裏に隠遁して生活することとなる。物音一つが致命的となる日々の中、花子は「あのね、」という書き出しで日記をつける。
 その鍵付きの日記帳に向き合う度、花子は扉の無い真っ白な部屋を幻視する。そこに閉じこもる少年、太郎(たろう)は、花子が闖入してくるたびに彼女を脅し、虐めるのだった。
 性の目覚め、同居することになった藤原一家の少年、浩(ひろし)との仄かな恋、そして姉との確執。しかし、それらは全て、ある日突然に霧散する。
 花子たちが移送された収容所は、夥しい死に満ちていく。それでも、女優の原麗子(はら・れいこ)と出会い、自らを“物語の主人公”と信じて、花子は懸命に生きようとする。
 一方、支配的な父親に虐待を受け続ける太郎は、暮らしの中で孤独を深める。それは、独裁者への道程へと繋がっていくのだった。
 角砂糖のように甘く白い部屋の中で続く、出逢うはずのない花子と太郎の逢瀬。そして、過酷な日々。解体された物語は、どこへ向かうのか。

(さらに…)

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【一会】『進撃の巨人 15』……それは誰が為の“選択”か

 考えてみたら、作品そのものについて言及するのは初めてです、『進撃の巨人』。  人類を脅かす強大な巨人が闊歩する“壁”の外と、母を殺され全ての巨人を駆逐せんと怒りに燃えるエレン・イェーガー、その幼馴染で卓越した戦闘能力を有すミカサ・アッカーマン、同じく幼馴染で体力的には……

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第191夜 逆巻く風雪は、ふたりのために…『千年万年りんごの子

「留まる力と/変わる力/それでも/すべてのものは無慈悲に終わる/小さな切欠によって/朝日/君だけが確かだ」 『千年万年りんごの子』田中相 作、講談社『ITAN』掲載(2011年12月~2014年2月)  1970(昭和45)年。一組の夫婦が誕生した。  東京の大……

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第190夜 海を渡った会津者たちの夢の果て…『White Tiger〜白虎隊西部開拓譚〜

「黄金を夢見た者も/故国で行き場をなくした者も/覚悟して海を渡りここに行きついた/ここで生きていくほかないのだ/異国で生きるとはそういう事だ」 『White Tiger〜白虎隊西部開拓譚〜』夏目義徳 作、集英社『グランドジャンプ』→「GRAND JUMP WEB」掲……

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第188夜 独りで穏やかに生きていける、つもりだった…『ヒミズ

「ねぇ・・・・何かないの? ・・・・有名になりたいとか/お金持ちになりたいとか・・・・若者らしいフレッシュなヤツは」「ないね」「オレはモグラのようにひっそりと暮らすんだ・・・・・・・・」 『ヒミズ』古谷実 作、講談社『ヤングマガジン』掲載(2001年1月~2002年……

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第186夜 善悪の彼岸すら超えて、貫け…『ジキルとハイドと裁判員

「正義とはルール。悪とはルールを犯すこと。そうダロ?/だとしたら――/お前も悪ダナ。/適正な手続きで判決を下すルールを、犯した。」「……/は…はは…何言ってんだ、僕が悪だなんて…/ルールが正義とか、世の中ってそんな単純なもんじゃないよ。」「…………」「僕が悪だって…?/そんな…/……

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【一会】『少女ファイト 11』……誰だって古傷が堪えていないわけじゃない

 今回も新たに言及する漫画です。100夜100漫の方でも『BAMBOO BLADE』(第182夜)を語ってますし、“女子高生部活モノ(体育系)”がマイブームなのかもしれません。  さて、この漫画、概要としては、姉(既に故人)への複雑な感情を紛らわすためにバレーを続け……

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第179夜 夜明けを呼ぶのは、異能ではなく決意…『黎明のアルカナ

「この力は奇跡なんかじゃないわ/だから私が/奇跡に変えてやるの」「私の命は/あなたのもの/ナカバ様の心のままに」「ありがとう/ロキ」 『黎明のアルカナ』藤間麗 作、小学館『Cheese!』掲載(2009年1月~2013年6月)  人と、半獣半人の種族、亜人が暮らす……

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【一会】『おるたな 宇河弘樹短編集Ⅱ』……三味線と、硝子の靴と、ピー○君

 作者の代表作『朝霧の巫女』(100夜100漫第56夜)の外伝(というか自己パロディ?)が収録されている、というのが恐らく一番の話題であろう短編集が発売されました。「~短編集Ⅱ」とされているのは、2000年に出た『妖の寄る家』が短編集Ⅰに当たるためでしょう。  ……

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第170夜 千々に乱れる世界にその死を想え…『さよならもいわずに

「昨日現像に出した写真を取りに行く/いつもの道/いつもの駅前/何故……/一体 何故/何故キホが!?/何故 あなたではなく………」 『さよならもいわずに』上野顕太郎 作、エンターブレイン『月刊コミックビーム』掲載(2009年7月~2010年4月)  「ヒマだからな!……

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