漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

*

「 熱い 」 一覧

【一会】『月光条例 29(完)』……そして、物語は円環する

月光条例 29 (少年サンデーコミックス)

 「ヒジョーにメイワクな話をしよう」から始まった、おとぎ話(というか全ての物語)を巻き込んだ、ある意味で傲岸不遜、ある意味では史上最後の物語も、遂に語り終えられる時が来ました。最終巻だけに、頭の中を整理してから書きたいことも色々ありますが、あまり時間をおくのも何なので、ひとまず書いてしまいます。

 もう今巻は、一言で云えばラストバトルで大団円です。天童が明かす月光との荒っぽい友情の始まりなんてエピソードも挟まれますが、やはり主役は月光とエンゲキブでしょう。
 『うしおととら』(100夜100漫第64夜)の潮ととら、『からくりサーカス』の(100夜100漫第27夜)勝と鳴海と、主役たちの“コンビであること”が強調されるのが藤田漫画のラストバトルの特徴ですが、今回はそれが月光とエンゲキブによって担われます。
 エンゲキブが月光と一緒に命を懸けようとするシーンを読みながら自分の脳裏に唐突に思い出されたのが、TYPE-MOONのビジュアルノベルゲームとして出発し、今秋2度目のアニメ化が決まっている『Fate/stay night』の主題歌「disillusion」の「誰かの為に生きて/この一瞬(とき)が全てでいいでしょう」という一節でした。不死という永い時を独り歩いてきた彼女の命が、本当の意味で燃え上がった一瞬だったと思います。
 それに先だって、戦いの場では長らく月光とコンビを組んできたハチカヅキの「きっと…/お勝ち下さいまし」という言葉と、初めて描かれたその眼差しもまた、読者の心を震わせます。彼女もまた、最後まで使命を貫いた誇り高い条例執行者です。

(さらに…)

広告

広告
thumbnail

【一会】『七つの大罪 8』……その者の名前、マーリン

 祝アニメ化、ということで徐々に出版社も力を入れ始めている気がする『七つの大罪』。単行本の刊行ペースは2か月に1巻のようですね。  今巻で、なんとなーく、メリオダスたちが罪を着せられている10年前の王国転覆疑惑事件の手がかりらしきものが示されてきました。メリオダスた……

thumbnail

第165夜 かつてこの国が経験した、凄絶な季節に…『夏のあらし!

「それでも/夏の間だけでも/生きて再びこの世界に居られることを感謝したいわ/だから精一杯/楽しく生きるわ/命短し/恋せよ乙女/紅き唇/褪せぬ間に…ってね/生きてるあなたは/恋をしなよ!」 『夏のあらし!』小林尽 作、スクウェア・エニックス『月刊ガンガンウイング』→『……

thumbnail

【一会】『月光条例 28』……いまはまだ、泣くべき刻じゃないぜ

 26巻から毎月連続刊行されている『月光条例』。このまま最終巻まで行くのでしょうか。 (さらに…)……

thumbnail

第157夜 芸術も友情も、無条件だからいい…『ぼくらのフンカ祭

「なあ…/オレ多分、一生忘れねーわ。/この光景。/ありがとな桜島。/オレをさそってくれて。」 『ぼくらのフンカ祭』真造圭伍 作、小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』掲載(2012年3月~同7月)  地元の東金松(かねまつ)高校に入学した富山剛士(とやま・たけし)……

thumbnail

【一会】『七つの大罪 7』……ひねくれ者の仲間思い

 書こう書こうと思っていながら遅くなってしまいましたが、最近の人気作でもあるし、ちょっと思った事を書こうと思います。  メリオダスの暴走と例の欠けた剣の喪失(黒目がちな無表情が恐ろしい!)、そんな彼を痛めつけた相手へのディアンヌの怒りと神器(ギデオン)の威力、聖騎士……

thumbnail

第149夜 中学教師と生徒達、全身全霊でぶつかります…『鈴木先生

「問題児にも/カミサマにも/手のかからないいい子にも囲まれて−−−−/回想モードは終了だ!!/今日も/こいつらに/全力で教えよう/めいっぱい クールに…/せいいっぱい 真摯に-−−−」 『鈴木先生』武富健治 作、双葉社『漫画アクション』掲載(2005年5月~2011……

thumbnail

【一会】『月光条例 26巻』……それぞれができるコト

 「随意散漫」カテゴリでは継続中の漫画についても言及する、というわけで、先日発売の『月光条例』26巻について書いてみようと思います。(←後日追記:単行本1巻ごとの記事については、ひとまず「随意~」のサブカテゴリとして「一画一会(いちがいちえ)」を設定しました。)  ……

thumbnail

第137夜 波乱の刻を咲き誇った、幾つもの魂…『ベルサイユのばら

「神の愛にむくいる術ももたないほど小さな存在ではあるけれど…/自己の真実のみにしたがい/一瞬たりとも悔いなくあたえられた生をいきた/人間としてそれ以上のよろこびがあるだろうか」 『ベルサイユのばら』池田理代子 作、集英社『週刊マーガレット』掲載(1972年4月~19……

thumbnail

第126夜 ≠アニメ、もう1つの“反逆”に熱くなれ…『スクライド

「運命−−−−これほど反逆し甲斐のある相手もいねーーな/そう思うだろ? あんたも!!」 『スクライド』黒田洋介(スタジオオルフェ) シナリオ、戸田泰成 漫画、秋田書店『週刊少年チャンピオン』掲載(2001年6月~2002年4月)  21世紀初頭、神奈川県横浜を中心……

広告

広告