地域 | 漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫-3ページ

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――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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第196夜 世界を憂う躁状態に、笑って唖然…『エクセル・サーガ

「出たな権力の手先!」「……いいけどよ」「ええと!/とりあえず名を名乗れっ」「個人情報は答えられないわ/市役所の方から来た者よ」「ほんに胡散臭いな/わしら」


エクセル・サーガ 1 (ヤングキングコミックス)

『エクセル・サーガ』六道神士 作、少年画報社『ヤングキング アワーズ』掲載(1996年6月~2011年7月)

 F県F市。腐敗した世界を是正すべく、世界征服…のための一国征服…を無理なく遂行するために、まずは市街征服をもくろむ秘密組織、理想推進機関アクロス の地下秘密基地はここにあった。
 といっても当初のメンバーは、遠大な理想を玄妙な言葉で表明する総帥イルパラッツォと、やたらハイテンションなだけの女性幹部兼参謀兼戦闘員兼トイレ掃除のエクセルの2人だけ。組織増強のために新たに選出される女子構成員ハイアットとエルガーラの2人も、かたや異様に病弱、かたや思考が口に出過ぎと秘密組織としてはやや不安な人員だ。
 それでも自称“ナンバー2”の自負のもと、活動費獲得(バイト)や生活費捻出(バイト)に潜伏任務と、エクセルの奮闘(というか空回り?)は続く。それはもう、緊急食糧として確保された白犬メンチが心労で自暴自棄になるほどに。
 一方、政財界に顔が利く謎の実力者、蒲腐(かばぷ)博士は、アクロスの暗躍を何となく察知、市役所内に市街環境安全保障局を設立する。普通の地方公務員と思って新規採用に応募した渡辺通(わたなべ・とおる)、岩田紀國(いわた・のりくに)、住吉大丸(すみよし・だいまる)、松屋美咲(まつや・みさき)の4人は、自分たちの仕事が「正義の戦隊」だと聞いて大困惑(一部しない人もいるけど)。が、既に秘密を知った彼らには拒否権はなく。オーバーテクノロジーによる武装や、天才科学者だが女児をこよなく愛する四王寺五条(しおうじ・ごじょう)の手によるアンドロイド六本松(ろっぽんまつ)を受け入れつつ、職務に臨むのだった。
 かくして、極めて行き当たりばったりに秘密組織と正義の戦隊によるローカルな攻防が始まる。それは、イルパラッツォと蒲腐という双方の首魁をめぐる永い物語の最終章でもあるのだった――。

(さらに…)



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【一会】『3月のライオン 10』……今ばかりは、“読み”は不要だ

 17歳の少年プロ棋士、桐山零(きりやま・れい)と、彼が独り暮らしをしている「六月町」(東京月島あたりがモデルと思われる)の対岸「三月町」に住むあかり・ひなた・モモの川本家3姉妹との交流を中心に、それぞれの家族の事情とか、個性的なプロ棋士たちの描写が興味深い本作。前巻から……

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第191夜 逆巻く風雪は、ふたりのために…『千年万年りんごの子

「留まる力と/変わる力/それでも/すべてのものは無慈悲に終わる/小さな切欠によって/朝日/君だけが確かだ」 『千年万年りんごの子』田中相 作、講談社『ITAN』掲載(2011年12月~2014年2月)  1970(昭和45)年。一組の夫婦が誕生した。  東京の大……

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【一会】『新世紀エヴァンゲリオン 14(完)』……たなごころを、きみに

 超が付くメジャー作品の漫画版で、自分がここで語ることなどもはや無いようにも思うけれど、やっぱり直撃世代として、語りたいので語ります。  ちなみに通常版の発売はまだちょっと先(26日)です。自分は限定版(20日発売)を入手して読みました。  時に西暦2014年。か……

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【一会】『謎のあの店 2』……追憶を、苦味と旨味にのせて

 作者が日常生活から掘り出した“入ってみたかったけど勇気とか縁とかがなくて入れなかったお店”に思い切って入店し、ごく主観的な記憶を交えつつ紹介するこの漫画。作者さんを知ったのは実は旅行雑誌の『旅の手帖』の1ページ漫画「今月のかけ湯くん」だったりするんですが、それはともかく……

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【一会】『月影ベイベ 4』……何かが変わる、その瞬間

 富山県八尾を舞台とした、伝統舞踊“おわら”にまつわる恋物語も4巻目を迎えました。  “おわら”大好きな高校生の佐伯光(さえき・ひかる)と、東京からの転校生でありながら優美な“おわら”を踊る峰岸蛍子(みねぎし・ほたるこ)。この2人と、光の伯父で蛍子ともただならぬ関係を匂……

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【一会】『ゾンビ取りガール 2』……あれ? 「成功」してるし恰好いい…?

 1巻もよかったのですが、2巻でぴたりと軸が決まった気がするので書き留めます。  ゾンビが出る世の中、全国区では知らない人の方が多そうな東京都下(田無とか小平あたり?)を舞台に展開する、ゾンビ的事象に対処する零細企業「ゾンビバスターズ」の物語も2巻目。1巻が出たのが昨年……

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第185夜 責任=自覚×選択…『時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。

「空木宗也、キミは知らないようだから言っておくが――/人に使命感を抱かせしめるものは主義などではない。/誰かの期待だ。」 『時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。』田中ほさな 作、小学館『ゲッサン』掲載(2011年9月~2014年1月)  何事においても「ちゃんとしたい……

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第183夜 その苦界を愛した男の、稚気と危機と機知…『じょなめけ

「癖かな……」「癖?」「俺ぁ子供の頃から茶屋で働いて/客が望むものをまず考えろとたたきこまれて育った/そういうのはもう抜けねぇよ/ずっと裏方でやってきたんだ/“板元”って稼業は世の中全部を客にした茶屋さ/だから俺はやれば最高の板元に……/日本一の裏方になる自信があるんだ」 ……

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第178夜 奇抜さをうっちゃる相撲魂…『大相撲SF超伝奇 五大湖フルバースト

「この技のキレ……………/そして この土俵さばき!!/もはや間違いありません!!/遂に!!/ついに…/還って来たッッ(カム・バック)!!!/デトロイトの英雄が/全米相撲の聖地に/ご帰還だ――――ッ(カム・バ――――ック)!!!」 『大相撲SF超伝奇 五大湖フルバース……



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