漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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【一会】『進撃の巨人 25』……その信念の意味と価値

進撃の巨人(25) (講談社コミックス)

 巨人化する能力を有するエルディア人の一種族“ユミルの民”、彼らの力を軍事利用してきた軍事国家マーレ、その両方がそれぞれの思惑から殲滅を願うパラディ島の“壁”の中に逃れたエルディア人たち。当初の“人類VS巨人”という構図から大きくかけ離れた世界の実態が明らかとなりつつある『進撃の巨人』の、25巻が4月に刊行されました。前巻までに引き続き、語りたいと思います。

 ちなみに、24巻のときに書き忘れてしまいましたが、前巻と今巻の限定版付録はオリジナルアニメーションDVD「Wall Sina, Goodbye」(24巻に前半、今巻に後半が付いています)。スピンオフ作品『小説 進撃の巨人 LOST GIRLS』の1編を原作とした(元を辿ればアニメ版DVDの特典付録だったビジュアルノベルらしいです)、アニ・レオンハートの憲兵団時代のエピソードをハードボイルドタッチで描いた作品です。なお、26巻ではミカサのお話も同様の限定版付録DVDになるようです。

 さて、前巻終盤、地下室で衝撃の再会を果たした、ライナーとクルーガーと名乗っていた片足の男――エレン・イェーガー。狼狽するライナーと対照的に、エレンは落ち着いたものです。タイバー家当主・ヴィリーによる「舞台」の開演が迫る中、ファルコを同席させ、エレンが主導権を握るままに対話が始まります。
 同刻、地上では、ヴィリーが緊張の面持ちで本番を待っていました。これから彼は、パラディ島(エレンたち壁内人類)打倒に向けて壁外の人類を結束させるべく、「舞台」に立ちます。そんな彼に声をかけてきたのは東方からの来客、アズマビト家の女性・キヨミ。前巻で戦士候補生のウドを庇ってくれたのは彼女でしょう。ちょっと意味ありげな表情を残して客席に消えていきました。一方、客席では、ライナーの母、アニの父たちも集う中、エルディア戦士隊は「マガト隊長が呼んでいる」との言付けを聞かされます。

(さらに…)

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【一会】『進撃の巨人 24』……あの時、君が思っていたのは

 巨人化する力を持つ“ユミルの民”を擁するエルディア人と、その力を軍事的に利用してきたマーレ、彼らが勢力を維持するために壊滅を狙うパラディ島壁内のエルディア人。そんな構図を成す“物語を規定していた「壁」の外側”から、これまでの戦いが再記述されている『進撃の巨人』。昨年12……

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【一会】『進撃の巨人 23』……遠く離れた壁の内側で

 巨人から逃れ壁の中で生き延びた人類が、その存亡をかけて、壁外から襲い来る巨人と戦う。そんな当初の前提から、大きく変容した世界の構図が明るみに出た『進撃の巨人』。  既に今月25巻が刊行されていますが、プレイバック的な意味合いも含めて、過日の22巻に続き23巻から読んで……

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【一会】『七つの大罪 29』……動く状況、去らぬピンチ

 年明けから三度アニメ化もされた『七つの大罪』。エリザベスをめぐって歩んできた、メリオダスの3000年にわたる過酷な時間が明かされ、“騎士団〈七つの大罪〉と魔神族との戦い”や“アーサー王伝説にどう繋がるか”ということに加えて、“彼と彼女の終着点”も気になることになってきま……

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【一会】『七つの大罪 28』……良くも悪くも、因果は巡る

 多種族による7人だけの騎士団〈七つの大罪〉と、世を滅ぼそうとする魔神族の戦い、そしてその背後にある魔神族と女神族という対立する二種族間に芽生えた愛の悲劇を描く『七つの大罪』。過日に引き続き、昨年10月刊行の28巻について語ります。  ちなみに今巻の限定版はキラキラ缶バ……

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【一会】『七つの大罪 27』……憂心去らぬ、再集結

 魔の血を受け継ぎながら平和を願ったメリオダスを団長に、様々な種族が集った7人の騎士団〈七つの大罪〉の戦いと、過去の因縁を解き明かし、アーサー王の伝説へと連なる前日譚『七つの大罪』。27巻が出たのは去年7月です。既に29巻まで出ている本作ですが、まずは今巻から、読んで思っ……

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【一会】『七つの大罪 26』……彼が心を棄てた理由

 様々な種族から成る騎士団〈七つの大罪〉と、魔神王に従う〈十戒〉。両者の戦いを描きつつ、背景には各種族の思惑が描かれた”円卓の騎士”的バトルファンタジー漫画『七つの大罪』。引き続き周回遅れ気味(既に27巻も刊行済み)ですが、5月刊行の26巻について書きたいと思います。 ……

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【一会】『進撃の巨人 22』……覚悟の海

 “正体不明の巨人との戦い”に始まり、次第に物語の全貌が明らかになってきている『進撃の巨人』。4月の話ですが22巻が刊行されました。遅れ馳せもいいところですが、流れを追いつつ思ったことを書き留めようと思います。  前巻に引き続き、エレンの意識に混濁した父・グリシャ・……

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【一会】『七つの大罪 25』……3000年の過去で見るものは

 伝説的騎士団〈七つの大罪〉と魔神王に従う〈十戒〉という2つのグループの戦いを中心に、物語の舞台ブリタニアをめぐって絡み合う各種族の思惑が描かれつつある『七つの大罪』。周回遅れ気味(既に次巻が出ています…)ですが、3月刊行の25巻について書きたいと思います。  今巻の限……

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【一会】『七つの大罪 24』……情を知った弱さ、それを捨てた強さ

 騎士団〈七つの大罪〉を筆頭とする人間側と、〈十戒〉の率いる魔神族との戦いを描く鈴木央的アーサー王物語『七つの大罪』。昨年12月に24巻が発刊されました。3か月遅れとなりましたが、色々と書いてみたいと思います。  ちなみに今巻の限定版付録である「いろはかるた」は、今年の……

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