歴史 | 漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

*

「 歴史 」 一覧



【一会】『アルテ 6』……まずは自分の場所で

アルテ 6 (ゼノンコミックス)

 ルネサンス末期の16世紀。その古典文化復興の中心地となったイタリアの、男社会な絵画界に、ひとり飛び込んだ貴族の娘アルテを描く絵画修行漫画『アルテ』。1月に6巻が刊行となりました。読んで思ったことを書きたいと思います。

 師匠レオのアトリエに住み込んで研鑽を積んでいたアルテですが、現在は名門貴族ファリエル家のユーリに請われる形でフィレンツェを離れ、ヴェネツィアにいます。
 ユーリに依頼された仕事は、一家の肖像画を描きつつ、家庭教師としてユーリの姪っ子であるカタリーナに礼儀作法を教えるというもの。出会った当初のカタリーナは、礼儀作法は完璧に身についているにも関わらず、家族の前ではだらしなく振る舞い、アルテには授業をさせず居眠りまでします。
 彼女の秘密の趣味を知ることを通じ、その本心を知ったアルテでしたが、同時にその不作法は、平民との“違い”ばかり追求する貴族という立場を嫌悪するが故であることを告げられ、立ち尽くすのでした。

(さらに…)



広告

広告
thumbnail

【一会】『乙嫁語り 9』……同じ方を見ている2人

 昨年暮れに出た、中央アジア諸方お嫁ストーリー『乙嫁語り』の第9巻。だいぶ遅くなりましたが、つれづれ感想などを書きたいと思います。  前巻に続きまして物語は、手先も態度も不器用系なパリヤのエピソードです。  アミルの実家ハルガルの襲撃により家がほぼ全壊し、以来アミ……

thumbnail

【一会】『猫瞽女―ネコゴゼ― 3』……その過去に、戦慄と涙

 戦後まもなくソ連に占領され、共産主義が台頭したパラレルな日本を舞台に、擬人化された猫たちによる遊侠活劇を描いた『猫瞽女―ネコゴゼ―』。盲目の女芸能者・瞽女(ごぜ)にして三味線に仕込んだ暗殺剣の達人でもある夜梅(ようめ)と、ロシア正教に由来すると思われる“機密”により対象……

thumbnail

【一会】『アルテ 5』……“違い”なんて、無いからこそ

 16世紀初頭イタリア。女性の社会進出が難しかったこの時代を舞台に、貴族の出ながら画家を目指して奮闘する少女アルテの修行の日々と、当時の人々の生活をつぶさに描く『アルテ』。6月下旬に5巻が出ましたが、このほど読みましたので書きたいと思います。  前巻で、生まれ育った……

thumbnail

【一会】『ドリフターズ 5』……“天下分け目”、再演か

 古代から第二次大戦まで、数多の英雄がファンタジー世界に集い、2つの陣営に分かれて戦う史実考証重視系浪漫バトル漫画『ドリフターズ』。戦いだけでなく、それに付随してファンタジー世界に文明上の革新がもたらされていく過程がまた見どころの漫画です。新刊5巻が出ましたので、刊行……

thumbnail

【一会】『乙嫁語り 8』……不器用娘に、春よ来い

 2月の7巻から10か月で刊行となりました『乙嫁語り』8巻。予想より少しだけ早く出たようです。19世紀中央アジア各地の民族の生活や乙嫁(美しいお嫁さん)について、物語的にも絵的にも丁寧に描かれた漫画です。  今巻の大半は2巻から登場しているパリヤのエピソードです……

thumbnail

【一会】『猫瞽女―ネコゴゼ― 2』……温泉地の勝負の行方はロシア式

 巫女に次いで猫耳という、ある意味で近年のヲタク界隈の要求を飲み込んだ上で、見事に渋み溢れる作品世界を描き出す宇河弘樹先生の『猫瞽女―ネコゴゼ―』第2巻が先日刊行されました。  描かれるのはパラレルな195X年。戦争に勝利したソ連によって支配され「日本自治ソビエト社会主……

thumbnail

【一会】『アルテ 4』……想いを残し、新天地へ

 16世紀初頭のフィレンツェを舞台に、貴族出身ながら画家を志望する元気少女アルテの修行の様子と、師匠であるレオへの淡い恋心、当時の人々の生活描写がそれぞれに興味深い『アルテ』。先ごろ4巻が発刊されましたので、書き留めておきましょう。  前巻では重労働のフレスコ画の助……

thumbnail

【一会】『黒博物館 ゴーストアンドレディ 上下』……意思を貫く戦いと、絶望を望んで希望を成すということ

 「100夜100漫」カテゴリにしようか迷いましたが、シリーズとしては続きがありそうなので「一会」にて書くことにします。藤田和日郎先生の新刊(といっても刊行からだいぶ経ってしまいましたが)『黒博物館 ゴーストアンドレディ』です。 あらすじ  大英帝国で捜査されたす……

thumbnail

【一会】『アルテ 3』……難仕事の顛末は、よく寝、よく食べ、よく鼻血

 ここでは初めて言及する漫画ですが、第3巻が先日発刊されたので触れたいと思います。  盛期から後期ルネサンスへと移りつつある16世紀初頭のフィレンツェを舞台に、貴族の少女でありながら“自分自身の力で生きる道”を目指し、偏屈な画家のおしかけ弟子となったアルテ。そんな彼……



広告

広告