不思議 | 漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫-2ページ

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――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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【一会】『せっかち伯爵と時間どろぼう 6(完)』……それは、歳々に還る魂のような

せっかち伯爵と時間どろぼう(6)

 終わるという噂通り、本当に新年最初の『マガジン』で完結した『せっかち伯爵と時間どろぼう』。最終巻となる6巻が発刊になりました。時計仕掛けの狂騒劇は、果たしてどんな結末を迎えたのでしょうか――。

 前巻の途中から、いつもの時事ネタや下ネタの色合いは薄れて、入れ替わるように始まった伯爵の“2周目”。それは最愛の妹を時命(伯爵たち上人類の寿命)による死から救おうとする故の行動でした。しかし、時を遡った影響か、いつしか“2周目”の物語は並行世界へと突入してしまい、大きく分けて7つあるとされるバッドエンド(打ち切り)を1つずつ潰さなければ元の世界に戻れないということに。並行世界の夕仏真心(ゆぶつ・まごころ)の、キリコの絵画「街の神秘と憂鬱」のような登場の仕方に不安がいや増します。

(さらに…)



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【一会】『コトノバドライブ 1』……全てが溶け合って見える瞬間

 前作『カブのイサキ』(100夜100漫第9夜)から幾ばくも空かず、芦名野ひとし氏の次作の単行本が刊行されました。その名も『コトノバドライブ』。  バイク、個人商店、缶コーヒーに自然現象と、作品に散りばめられた要素たちは、芦名野作品としては新しくはないかと思います。時代……

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第194夜 可憐な悪夢と、凄惨な現実を、その日記に…『アノネ、

「誕生日にもらった鍵つきの日記帳は/秘密の扉みたい/床におくと鏡にもなるの/のぞきこむと/未来がみえる」「花子/花子/どうしてこんなことに」「太郎さん/太郎さん/あのね――」 『アノネ、』今日マチ子 作、秋田書店『エレガンスイブ掲載(2011年2月~2013年4月)……

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第192夜 その“ヘンなの”と過ごした日々を忘れない…『のらみみ

「やっぱりアレですか。/居候するならドジでメガネでひとりっ子の男の子ですか?」「そりゃあもちろん。/キャラならみんなが憧れる環境じゃないですかね。」「僕、ひとりっ子とドジっていうのはなんとなくわかるんですけど、/メガネの理由がわかんないんですよね。」「さあ…おいらにも説明はできな……

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【一会】『坂本ですが? 3』……エレガント対卑劣

 やたらエレガントでクール過ぎる高校1年生、坂本(さかもと)君の華麗なる行状を描く謎のスタイリッシュ系ギャグ漫画『坂本ですが?』。満を持して3巻が刊行となりました。前巻は昨年11月の刊行だったので、1年ちょっとの間隔ということになります。  今巻もまた、坂本はその洗練さ……

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第191夜 逆巻く風雪は、ふたりのために…『千年万年りんごの子

「留まる力と/変わる力/それでも/すべてのものは無慈悲に終わる/小さな切欠によって/朝日/君だけが確かだ」 『千年万年りんごの子』田中相 作、講談社『ITAN』掲載(2011年12月~2014年2月)  1970(昭和45)年。一組の夫婦が誕生した。  東京の大……

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【一会】『謎のあの店 2』……追憶を、苦味と旨味にのせて

 作者が日常生活から掘り出した“入ってみたかったけど勇気とか縁とかがなくて入れなかったお店”に思い切って入店し、ごく主観的な記憶を交えつつ紹介するこの漫画。作者さんを知ったのは実は旅行雑誌の『旅の手帖』の1ページ漫画「今月のかけ湯くん」だったりするんですが、それはともかく……

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【一会】『魔法陣グルグル2 3』……最古にして最も有名な友達

 2巻から8か月を経ての刊行となった、メルヘンチックとオヤジチックの共存が相変わらずカオスな魅力の『グルグル2』。前作『魔方陣グルグル』の新装版も出揃ったので、『2』から入った読者も安心といったところでしょうか。  サビーナ王国での惨劇(笑)から人々を救うため、そして魔……

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第180夜 “内”で“外”で、立ち尽くす…『ハツカネズミの時間

 2014/06/16  100夜100漫, ,

「感情ってさ/経験しないとよくわからないものだよね/小説や物語を読んで頭ではわかっていても/やっぱり よくわからないや」「……/例えばどんな?」「人を好きだと思う事とか……/同じ好きでもイロイロあるみたいだけど/どう違うのか俺には今ひとつ理解できないよ」 『ハツカネ……

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第176夜 夢現と血まみれの刃の向こう、優しさの咲く…『竹光侍

「要するに、今の某(それがし)に刀は無用。」「大事な子を一人忘れておいでだよ、お前様」「ん……/見慣れぬ子だな……」「覗いてごらんな、ふふふふふ…」 『竹光侍』永福一成 原作、松本大洋 作、小学館『ビッグコミックスピリッツ』掲載(2006年8月~2010年3月) ……



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