不思議 | 漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

*

「 不思議 」 一覧



【一会】『双亡亭壊すべし 2』……〈双亡亭〉突入。そこで待つのは絶望か

双亡亭壊すべし 2 (少年サンデーコミックス)

 東京都内に建つ謎の建築物〈双亡亭〉をめぐり、絵本作家志望の青年、〈双亡亭〉に立ち入ってしまった少年、その姉で退魔の力を有する〈刀巫覡(かたなふげき)〉の少女、そして、時の彼方から還ってきた少年、といった人物たちによって紡がれる“おばけ屋敷”ホラー漫画『双亡亭壊すべし』。もう先々月の話になってしまいましたが、2巻が10月下旬に発刊になりました。遅ればせながら、語ってみたいと思います。

 〈双亡亭〉の隣のアパートで暮らす、美大を出たばかりの青年・凧葉務(たこは・つとむ)。〈双亡亭〉敷地内の別宅に引っ越してきた少年・立木緑朗(たちき・ろくろう)と知り合った彼は、緑朗に軽い気持ちで〈双亡亭〉内を探検してはと勧めます。しかし、それが2人を〈双亡亭〉の呪縛に囚われることに繋がったのでした。
 ほぼ時を同じくして、〈双亡亭〉に因縁のある首相の斯波(しば)、防衛相の桐生による〈双亡亭〉破壊プロジェクトが発動します。弟の緑朗を案じて九州から駆けつけた刀巫覡の柘植紅(つげ・くれない)はこれに呼応、〈双亡亭〉破壊の特別工作班に参加することに。
 一方、〈双亡亭〉内での経験により心身に変調をきたした緑朗と、双亡亭が爆撃された夜、45年前の飛行機事故から当時の姿のまま生還し、超常的な力を有する凧葉青一(たこは・せいいち)の2人もまた、〈双亡亭〉破壊への執念が一致。政府の作戦とは別に〈双亡亭〉破壊のために現地を目指すのでした。

(さらに…)



広告

広告
thumbnail

【一会】『双亡亭壊すべし 1』……何を憎み、何ゆえ破壊を願うのか

 『うしおととら』(100夜100漫第64夜)『からくりサーカス』(第27夜)『月光条例』(一画一会第26巻以降)など、藤田和日郎先生の作品には多く言及してきましたが、先月、新たな連載作品の1巻が刊行されました。ひと月ばかり遅くなりましたが、読んで思ったことを述べようと思……

thumbnail

【一会】『コトノバドライブ 3』……不思議に遇って、ふと物思い

 こぢんまりとしたスパゲティ屋「ランプ」の店員・すーちゃんの日常に、1話あたり1つだけ、5分間の不思議な時空を添えて描かれる、少し不思議系日常漫画『コトノバドライブ』。3巻が出てだいぶ経ってしまいましたが、読みましたので書き留めたいと思います。  今巻では、昨秋から……

thumbnail

【一会】『魔法陣グルグル2 5』……勇者さらわれる。乙女パーティ結成

 シロップと粉砂糖たっぷりのパンケーキにハーブティー、そこに何故か具がたっぷり入った豚汁というセットメニューをダンスフロアでいただくような、RPG風メルヘンチックアドベンチャー漫画『魔方陣グルグル2』。先日新刊が発売となりました。  幻のグルグルと云われる「かみさま……

thumbnail

【一会】『コトノバドライブ 2』……緩やかに拡がる彼女の世界

 ヒゲの店長(けっこう剃っちゃってますが)と2人でスパゲティ屋を切り盛りしつつ日々を暮らす、すーちゃんの日常に、1話あたり1つ、ほんの5分間の不思議を織り交ぜて綴られる小エピソード集『コトノバドライブ』の2巻が先月刊行されました。今巻はカラーページが無いのがちょっと残念で……

thumbnail

【一会】『魔法陣グルグル2 4』……「ウソ」と「ホント」で禍根の予感

 今回も、前巻からきっちり8か月で刊行となりました『グルグル2』。前巻でサビーナ山の「ともだちのダンジョン」を無事にクリアした勇者(?)ニケとグルグル使いククリたちの一行。しかし、ククリと同じミグミグ族である魔王によって、膨大な魔力を誇る魔神「月」は奪われ、夜は魔王の時間……

thumbnail

【一会】『蟲師 外譚集』……近く遠く、たゆたう話が五つ

 2度目のアニメ化もおおむね好評だった『蟲師』。漆原友紀先生による、虫のような植物のような原初的な生命のかたちをもった蟲と、人の営みを描いた漫画です。  この漫画に関連した作品集が先ごろ(4月下旬)出版されました。その名も『蟲師 外譚集』。漆原先生ではなく、『蟲師』の世……

thumbnail

第201夜 槌音が背を押す、それぞれの決意…『誰がために鋼は鳴る

「ケンちゃんさんの打つ音は/とてもキレイです/私 あの音を聞くと/がんばれるって思えるんです」「  そっか……」 『誰がために鋼は鳴る』天乃タカ 作、エンターブレイン『Fellows!』掲載(2009年2月~2010年6月)  神戸の北西、山裾に広がる三木市は打刃……

thumbnail

【一会】『せっかち伯爵と時間どろぼう 6(完)』……それは、歳々に還る魂のような

 終わるという噂通り、本当に新年最初の『マガジン』で完結した『せっかち伯爵と時間どろぼう』。最終巻となる6巻が発刊になりました。時計仕掛けの狂騒劇は、果たしてどんな結末を迎えたのでしょうか――。  前巻の途中から、いつもの時事ネタや下ネタの色合いは薄れて、入れ替わる……

thumbnail

【一会】『コトノバドライブ 1』……全てが溶け合って見える瞬間

 前作『カブのイサキ』(100夜100漫第9夜)から幾ばくも空かず、芦名野ひとし氏の次作の単行本が刊行されました。その名も『コトノバドライブ』。  バイク、個人商店、缶コーヒーに自然現象と、作品に散りばめられた要素たちは、芦名野作品としては新しくはないかと思います。時代……



広告

広告