漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 ダメ人間 」 一覧

【一会】『せっかち伯爵と時間どろぼう 4』……「ありのー♪」だけで分かる

せっかち伯爵と時間どろぼう(4) (講談社コミックス)

 意外にダメな人が多い人類の上位存在、上人類の生態と、相変わらずの時事ネタ弄りで飛ばすこの漫画も、はや4巻となりました。刊行日で云えばその間わずか2か月。…まあ、タイミングによっては毎月単行本を刊行する場合もあるようだしいいのか。

 今回は少し趣向を変えて、ギャグのネタではなく、各話で登場するSF・オカルト的モチーフに焦点を絞ってみようかと。と云うのも、この漫画は各話ごとに“既存のモチーフを下敷きに、時事ネタギャグ・下ネタをこってりと盛る”という構造(そしてこれは、作者の得意とするところだと推察される)を持っているように思えるのだけど、今巻ではその既存のモチーフにSF&オカルティックを感じたためです。というか、「せっかち伯爵(=サンジェルマン伯爵)」というモチーフ自体が既に、澁澤龍彥的というか学研の『ムー』的というか、要するにオカルトとSFとの狭間の範疇に含まれるものでしょうし。

(さらに…)

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【一会】『せっかち伯爵と時間どろぼう 3』……他人の悪夢が残すのは

 刊行からちょっと遅れましたが、書いておきます。  「“海賊王”に!!!! ならないからっ!!!」と帯にも大書されている『ワンピース』を皮切りに、○ィズニーに北朝○に放射能と、相変わらず“怖いものなど何もない”系風刺ネタ(下ネタ含む)が続いています。今巻で目についたネタ……

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【一会】『せっかち伯爵と時間どろぼう 2』……ネタと時間移動の振幅

 最近、当ブログへやってくる方の検索ワードでとみに増えている『せっかち伯爵と時間どろぼう』の2巻が刊行となりました。  「※ギャグ漫画です。」という帯が逆に意味深に思えたりもしますが、2巻の内容としてはその通りかと思います。この漫画に限らず、1巻は物語の導入として、どう……

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【一会】『せっかち伯爵と時間どろぼう 1』……変わらぬ安定感と、既にある不穏

 帯には「待望した!」と大書されている、『さよなら絶望先生』(100夜100漫第36夜)で知られた久米田康治先生の最新刊です。  先に作風の話をすると、「不労腐死」とか「9金以下の純度のものだけ買い取り」とか拷問とか臓物とか、言葉遊びから風刺的な内容でギャグを展開し、し……

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第145夜 非現実への色欲に隠した、承認への欲望…『ルサンチマン

「まだ現実に未練があるのか?」「あっ、あたりまえだ。/大体、そんな話/信じられっかよ。」「お前が、/現実の何に期待してるかわからんが、/あきらめろ。現実に期待するな。」「ぐっ、よ、余計なお世話だ。」「30年生きて、お前もわかっているはずだ。現実世界でおれ達に勝利はない!/おれ達は……

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第135夜 白い囲いの中で、我慢の日々…『失踪日記2 アル中病棟

「恐ろしい/なんか恐ろしいね/恐ろしいと頭で考える自分の声すらも恐ろしいんだよね」 『失踪日記2 アル中病棟』吾妻ひでお 作、イースト・プレス刊行、書き下ろし(2013年10月)  1998年12月28日、かつて失踪した漫画家は、今度は家族の手によって病院に担ぎ込……

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第125夜 大人の夢は大きいのだ…『俺はまだ本気だしてないだけ

「親父よ…イヤ、お父さん…/七転び八起きって知ってる?」「起きれてねーよ!」 『俺はまだ本気だしてないだけ』青野春秋 作、小学館『月刊IKKI』掲載(2006年1月~2012年7月、番外編2013年1〜5月)  なりゆきで就職し、なんとなく15年勤めてきたバツイチ……

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第102夜 脱力オチが、疲れた心にじわりと効く…『しょんぼり温泉

「また来てねー」 『しょんぼり温泉』小田扉 作、集英社『ジャンプスクエア』掲載(2009年11月~2012年1月)  諸堀(もろほり)温泉は、かつてはドラマのロケ地になったものの、特に目玉となる観光スポットもなく、ガイドマップは20年前に作られたきりという寂れた温……

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第36夜 踊りましょう、ご一緒に、最後まで…『さよなら絶望先生

「♪ね――こ――の毛皮着る――/貴婦人のつくるスウプウウ―/お――ば――あさんの/いなくなぁた/住宅――街――に肉――」 『さよなら絶望先生』久米田康治 作、講談社『週刊少年マガジン』掲載(2005年4月~2012年6月)  名前からして敗北感に溢れている高校教師……

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第31夜 ビッグ・マイナーの“笑えるけど壮絶”な日々…『失踪日記

「私は取材旅行にでていた(そーゆーことにしといてください)」 『失踪日記』吾妻ひでお 作、大田出版『夜の魚』掲載(「夜を歩く」のうち「夜の1」のみ;1992年10月)+コアマガジン『お宝ワイドショー』掲載(「街を歩く」;2002年)+書き下ろし  1989年11月……

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