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――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 仕事 」 一覧



【一会】『アルテ 6』……まずは自分の場所で

アルテ 6 (ゼノンコミックス)

 ルネサンス末期の16世紀。その古典文化復興の中心地となったイタリアの、男社会な絵画界に、ひとり飛び込んだ貴族の娘アルテを描く絵画修行漫画『アルテ』。1月に6巻が刊行となりました。読んで思ったことを書きたいと思います。

 師匠レオのアトリエに住み込んで研鑽を積んでいたアルテですが、現在は名門貴族ファリエル家のユーリに請われる形でフィレンツェを離れ、ヴェネツィアにいます。
 ユーリに依頼された仕事は、一家の肖像画を描きつつ、家庭教師としてユーリの姪っ子であるカタリーナに礼儀作法を教えるというもの。出会った当初のカタリーナは、礼儀作法は完璧に身についているにも関わらず、家族の前ではだらしなく振る舞い、アルテには授業をさせず居眠りまでします。
 彼女の秘密の趣味を知ることを通じ、その本心を知ったアルテでしたが、同時にその不作法は、平民との“違い”ばかり追求する貴族という立場を嫌悪するが故であることを告げられ、立ち尽くすのでした。

(さらに…)



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【一会】『プリンセスメゾン 3』……ロマンティック重要事項説明

 居酒屋「じんちゃん」で働く、年収250万円ちょっとの沼越幸(ぬまごえ・さち)の“運命の物件”探しをメインストーリーに、女性たちの“住まいと孤独”を描く『プリンセスメゾン』。昨年の話になってしまいましたが、10月末に3巻が刊行されました。遅きに失するのもいいところですが、……

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【一会】『アルテ 5』……“違い”なんて、無いからこそ

 16世紀初頭イタリア。女性の社会進出が難しかったこの時代を舞台に、貴族の出ながら画家を目指して奮闘する少女アルテの修行の日々と、当時の人々の生活をつぶさに描く『アルテ』。6月下旬に5巻が出ましたが、このほど読みましたので書きたいと思います。  前巻で、生まれ育った……

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【一会】『白暮のクロニクル 8』……1600歳超えの純情

 不老不死に近い吸血鬼っぽい種族“オキナガ(息長)”が存在する世界。見た目は少年ながら88歳の“オキナガ”雪村魁(ゆきむら・かい)と、彼らを管理する厚生労働省夜間衛生管理課(通称やえいかん)の新人・伏木あかり(ふせぎ・――)が、12年に1度、未年ごとに若い女性を殺す「羊殺……

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【一会】『白暮のクロニクル 7』……迫る未年の終わり、まだ視えない真相

 非常な長命と不死性を有する“オキナガ”と、それを管理する厚生労働省夜間衛生管理課(通称やえいかん)が存在する世界。夜衛管の新人・伏木あかり(ふせぎ・――)と、88歳にして外見は少年な“オキナガ”雪村魁(ゆきむら・かい)の2人が、未年ごとに若い女性を殺害する連続殺人者“羊……

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第205夜 ディスプレイに躍る意地と愛と魂と…『大東京トイボックス

「…それは/直さずにすめばその方が効率がいいからに決まって…」「もうやめろ/効率? プロ? まるでガキだな」「…なんだと?」「そんなのは大人じゃねえ/ただの聞き分けのいい子供だ」 『大東京トイボックス』うめ(小沢高広…企画・シナリオ・演出担当/妹尾朝子…作画・演出担……

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【一会】『アルテ 4』……想いを残し、新天地へ

 16世紀初頭のフィレンツェを舞台に、貴族出身ながら画家を志望する元気少女アルテの修行の様子と、師匠であるレオへの淡い恋心、当時の人々の生活描写がそれぞれに興味深い『アルテ』。先ごろ4巻が発刊されましたので、書き留めておきましょう。  前巻では重労働のフレスコ画の助……

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【一会】『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記 3(完)』……原子炉建屋へ。そして一旦の中締め

 2月発刊の2巻から8か月。この10月に『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』のとりあえずの最終巻となる3巻が刊行となりました。前巻について書いた時は、発刊予告があまりアテにならないかも、と書きましたが、思いがけず予告通りのリリースでした。  作中の内容が現実に追……

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【一会】『白暮のクロニクル 6』……異質達はすれ違い、物語は加速する

 いわゆる吸血鬼的存在“オキナガ”と、それを管理する厚生労働省夜間衛生管理課(通称やえいかん)という構図を遠景に、夜衛管の新人・伏木あかり(ふせぎ・――)と、88歳の少年“オキナガ”雪村魁(ゆきむら・かい)のコンビがオキナガ絡みの事件を追っていく『白暮のクロニクル』。もう……

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【一会】『孤独のグルメ 2』……18年ぶり。無邪気さと、変わらぬ自由さ

 個人で輸入雑貨を商う井之頭五郎(いのがしら・ごろう)が、主に都内の街で見知らぬ飲食店に入り、そこでの食事や湧き起こってくる想念を淡々と描き流す食事漫画『孤独のグルメ』(100夜100漫第63夜)。その第2巻が、実に18年の歳月を経て刊行されました。1996年までの連載で……



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