漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 大人 」 一覧

【一会】『3×3EYESサザンアイズ幻獣の森の遭難者 1』……それぞれの12年と、失敗を嘆くモノローグ

3×3EYES 幻獣の森の遭難者(1)

 今から12年ほど前、人類世界は滅亡の危機に瀕していました。それを幾人かの人物がどうにか阻止し、その後も色々とトラブルがありながらも何とか今日までやってきているというのが実情です。
 もちろんこれは、この漫画の大本にあたる『3×3EYES(サザンアイズ)』(100夜100漫第100夜)のストーリーです。が、あながち現実世界においても的外れとも云い切れないものがある気がします。
 ともあれ、アジアの民間伝承やインド神話をヒントに描かれた伝奇バトル漫画の正統な続編の第1巻が、先日ついに発刊されました。本編にどっぷり嵌った自分はウェブ連載を発見した時、読みながら少しばかり小躍りしたものですが、1冊にまとまるとまた嬉しいものです。

 上記の通り、漫画内での時間は現実世界と同期しており、本編終了から12年が経過しています。本編の頃はまだまだ未熟な感のあった八雲は、不老不死の「无(ウー)」なので見た目は大して変わりませんが、請け負った仕事の多彩さから、実力も余裕も持ち合わせた大人の男になったことが伺えます。
(さらに…)

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【一会】『アルテ 3』……難仕事の顛末は、よく寝、よく食べ、よく鼻血

 ここでは初めて言及する漫画ですが、第3巻が先日発刊されたので触れたいと思います。  盛期から後期ルネサンスへと移りつつある16世紀初頭のフィレンツェを舞台に、貴族の少女でありながら“自分自身の力で生きる道”を目指し、偏屈な画家のおしかけ弟子となったアルテ。そんな彼……

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【一会】『蟲師 外譚集』……近く遠く、たゆたう話が五つ

 2度目のアニメ化もおおむね好評だった『蟲師』。漆原友紀先生による、虫のような植物のような原初的な生命のかたちをもった蟲と、人の営みを描いた漫画です。  この漫画に関連した作品集が先ごろ(4月下旬)出版されました。その名も『蟲師 外譚集』。漆原先生ではなく、『蟲師』の世……

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【一会】『少女ファイト 12』……成長、決意、暗躍、そして本番開始

 前巻の予告では今夏とのことでしたが、かなり早めの刊行となりました『少女ファイト』12巻。今巻も恒例の特装版があり、特製パスケースが付いてきます。ちなみに通常版の表紙は黒曜谷高校の現コーチ由良木政子の高校時代、特装版は朱雀高校のキャプテン寺沼理香(てらぬま・りか)と今……

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【一会】『白暮のクロニクル 5』……研修のち悪意不在の罪、ときどきラブコメ

 吸血嗜好と長命性を持った“オキナガ”がいる世界を舞台に、厚生労働省夜間衛生管理課(通称やえいかん)の新人、伏木あかり(ふせぎ・――)と、古参の“オキナガ”雪村魁(ゆきむら・かい)を中心に描かれる、ファンタジック社会派公務員ミステリ(?)なこの漫画、予告通り4月末の5巻刊……

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【一会】『月影ベイベ 5』……“何てことのない”悲劇と、大人の素直さ

 北陸新幹線が開通し、「取材がだいぶ楽になりそう」との作者コメントが記された、富山県八尾を舞台とした伝統舞踊“おわら”の物語、その5巻が過日刊行となりました。  1巻以来語られてきた、佐伯光(さえき・ひかる)と峰岸蛍子(みねぎし・ほたるこ)、光の叔父である佐伯円(――・……

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第201夜 槌音が背を押す、それぞれの決意…『誰がために鋼は鳴る

「ケンちゃんさんの打つ音は/とてもキレイです/私 あの音を聞くと/がんばれるって思えるんです」「  そっか……」 『誰がために鋼は鳴る』天乃タカ 作、エンターブレイン『Fellows!』掲載(2009年2月~2010年6月)  神戸の北西、山裾に広がる三木市は打刃……

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【一会】『いぬやしき 3』……完全なるか、勧善懲悪

 ふとしたきっかけから超強力な戦闘能力を有する改造人間(というよりほぼロボット?)となってしまった初老男性の犬屋敷壱郎(いぬやしき・いちろう)と男子高校生の獅子神晧(ししがみ・ひろ)。そんな2人それぞれの「生きてる感じ」を味わうための行動を対比して描く、奥浩哉先生の『いぬ……

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第199夜 決意も、後悔も、伝えなくちゃいけない…『花もて語れ

「朗読にとって大事なのは聴き手の人数じゃない。/たとえ聴き手がたったひとりでも、それは読み手にとって大切な大切なお客さんだ。/舞台は、別に本物の舞台でなくたって構わない。/聴き手は友達だっていい。家族だっていい。/本当に聴いてほしかったら、舞台は他人に用意してもらうものじゃなく、……

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第198夜 笑いあって手を繋いで、それなのに零れる涙…『西荻夫婦

 2015/02/26  100夜100漫, ,

「明日が来なくても/まあ もう充分ってカンジかな―――」「えーッ/もう充分なの?」「うまく言えないけどね」「けっこうあっさりした境地へ/行っちゃうんですね/夫婦って」「なにわかったふうな」「恋愛じゃないからね」 『西荻夫婦』やまだないと 作、祥伝社『フィール・ヤング……

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