漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 大人 」 一覧

【一会】『白暮のクロニクル 8』……1600歳超えの純情

白暮のクロニクル(8) (ビッグコミックス)

 不老不死に近い吸血鬼っぽい種族“オキナガ(息長)”が存在する世界。見た目は少年ながら88歳の“オキナガ”雪村魁(ゆきむら・かい)と、彼らを管理する厚生労働省夜間衛生管理課(通称やえいかん)の新人・伏木あかり(ふせぎ・――)が、12年に1度、未年ごとに若い女性を殺す「羊殺し」を追う、社会派オカルティック推理『白暮のクロニクル』。最新刊の8巻が出て1か月経ってしまいましたが、読みましたので書き留めたいと思います。

 冒頭にいきなり衝撃的なシーンが挟まっていますが、それはさておき今巻のメインストーリーは11月下旬、前巻で描かれた、映画『眠れない羊たち』をめぐる事件の直後から始まります。
 相変わらず週刊誌『パトス』は、あかりたち夜衛管に対して厳しいスタンスの記事を載せたりしています。また、あかりの上司である課長の紀(きの)や“オキナガ”でもある参事の竹之内唯一(たけのうち・ただひと)たちは、“オキナガ”に関する法改正をめぐり他省の官僚たちと込み入った話をしている様子。
 そんな中、あかりにとっての実の祖母となる津野田棗(つのだ・なつめ)が、魁の幼馴染み――そして「羊殺し」に殺された――棗と同一人物であることを確認した2人。改めて「羊殺し」の真相に迫ろうとする彼らですが、そこに件の『眠れない羊たち』事件に居合わせた“オキナガ”の女優・鈴川なえから連絡が入ります。

(さらに…)

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【一会】『3×3EYESサザンアイズ幻獣の森の遭難者 3』……龍皇顕現。さらに思惑は絡み合う

 アジアン・オカルティックバトルを繰り広げつつ、バブル期からゼロ年代という日本の精神性の変容を背景に置いて描かれた伝奇ロマン『3×3EYES』(100夜100漫第100夜)。12年ぶりの発表となった正統的続編『3×3EYES 幻獣の森の遭難者』の3巻が先ごろ刊行となりまし……

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【一会】『アップルシードα 2(完)』……新世界は素敵ですか?

 2巻の発刊から早や2か月ほど経ってしまいましたが、じっくりと読みましたので書いておきましょう。『茄子』(100夜100漫第1夜)の黒田硫黄先生による、士郎正宗先生の未完の代表作『アップルシード』のリブートという異色作の2巻にして最終巻です。  40年にもわたる非核……

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【一会】『プリンセスメゾン 2』……シャンソン人形とヘドバンと

 居酒屋「じんちゃん」に勤める年収250万円ちょっとの沼越幸(ぬまごえ・さち)。彼女の“運命の物件”探しを中心に置きつつ、それ以外の女性の“住まいと孤独”についてのエピソードも散りばめた『プリンセスメゾン』の2巻が、先ごろ発刊されました。物件探しの実際的なポイントを押さえ……

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【一会】『白暮のクロニクル 7』……迫る未年の終わり、まだ視えない真相

 非常な長命と不死性を有する“オキナガ”と、それを管理する厚生労働省夜間衛生管理課(通称やえいかん)が存在する世界。夜衛管の新人・伏木あかり(ふせぎ・――)と、88歳にして外見は少年な“オキナガ”雪村魁(ゆきむら・かい)の2人が、未年ごとに若い女性を殺害する連続殺人者“羊……

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第205夜 ディスプレイに躍る意地と愛と魂と…『大東京トイボックス

「…それは/直さずにすめばその方が効率がいいからに決まって…」「もうやめろ/効率? プロ? まるでガキだな」「…なんだと?」「そんなのは大人じゃねえ/ただの聞き分けのいい子供だ」 『大東京トイボックス』うめ(小沢高広…企画・シナリオ・演出担当/妹尾朝子…作画・演出担……

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【一会】『アルテ 4』……想いを残し、新天地へ

 16世紀初頭のフィレンツェを舞台に、貴族出身ながら画家を志望する元気少女アルテの修行の様子と、師匠であるレオへの淡い恋心、当時の人々の生活描写がそれぞれに興味深い『アルテ』。先ごろ4巻が発刊されましたので、書き留めておきましょう。  前巻では重労働のフレスコ画の助……

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【一会】『3×3EYESサザンアイズ幻獣の森の遭難者 2』……「世界崩壊」の真相と、まだ知れぬ深遠

 アジアン・オカルティックな伝奇ロマン『3×3EYES』(100夜100漫第100夜)の12年ぶりの正統的続編『3×3EYES 幻獣の森の遭難者』、予告よりも気持ち早く、11月初旬の刊行となりました。獣魔の卵の存在を掴んでやってきたパリで、八雲を捕獲しようとする謎の女子高……

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【一会】『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記 3(完)』……原子炉建屋へ。そして一旦の中締め

 2月発刊の2巻から8か月。この10月に竜田一人先生の『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』のとりあえずの最終巻となる3巻が刊行となりました。前巻について書いた時は、発刊予告があまりアテにならないかも、と書きましたが、思いがけず予告通りのリリースでした。  作中の……

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【一会】『3月のライオン 11』……対峙の果てと残された者の虚脱

 17歳の少年プロ棋士、桐山零(きりやま・れい)の孤独な戦いと棋士の世界、そして、そんな零を家族のように受け入れる、あかり・ひなた・モモの3姉妹を中心とする川本家のドラマを描く『3月のライオン』。前巻から9か月ほどで新刊の刊行となりました。刊行からひと月ほど経ってしまいま……

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