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【一会】『七つの大罪 9』……“英雄の戦い”の幕開けか?

      2014/08/18

七つの大罪(9) (少年マガジンコミックス)

 予想通り2か月で1巻ペースで刊行の『七つの大罪』。今巻は全編戦いのさなかです。
 囚われたエリザベスと、欠けた剣の柄に隠されていた祭器「常闇の棺」を取り戻すために王都に潜入(というか突撃)したメリオダス、バン、ゴウセル。時を同じくしてキャメロットの新王アーサー・ペンドラゴンの一団が王都の南門に出現したため、状況は「七つの大罪」、王都の聖騎士たち、アーサーの三つ巴の様相を呈してきます。

 が、今巻ではアーサーと聖騎士長ヘンドリクセンの戦いはさわりだけで、あとはほとんど「七つの大罪」VS聖騎士の戦いに費やされています。しかも団長とバンは今回あまり出番なしで、主役となるのはディアンヌとゴウセルの2人。
 これまでもヘルブラムなんかとは死闘を演じてきた「七つの大罪」ですが、今回は輪をかけて凄惨な戦いです。王都のど真ん中ということで、民衆は「七つの大罪」のことを国家の破滅をもくろむ極悪人の集まりと認識していますし、ドレファスやヘルブラムといった強敵の力は圧倒的でもあります。
 そんな戦いの中、ディアンヌのとった行動は誇り高い。今まで“団長大好き”というところが強調されていてあまり感じませんでしたが、この巨人族の女戦士の原動力はまさに大地のような慈しみなのでしょう。183ページの笑顔に熱いものが込み上げてきました。
 そしてとぼけた魅力のゴウセルも持ち味を発揮して活躍します。たまたま非番だったカイーデ(=“暁闇の咆哮(ドーン・ロアー)”のスレイダー)と街中で鉢合わせしての一戦も彼らしいアクションが楽しいですが、やはりドレファスとの戦いがハイライトでしょう。精神に働きかけるゴウセルの魔力が、図らずもドレファス…の意識の底にいる何物かを察知した様子。真相が気になります。
 そんな2人に加えて、今巻ではハウザーとギーラという意外な人たちの奮闘も。即席の連携技を駆使して己の正しいと思うことに命を懸ける2人の姿もまた、熱いです。
 「七つの大罪」に聖騎士、キャメロットと役者が出揃ってきたこともあって、これから群雄割拠の“英雄の戦い”となっていくんじゃないでしょうか。

 これまで魔力というものが何となく用いられていて、各人それぞれ特徴が違うなー程度のことは思っていましたが、今巻でドレファスが解りやすく説明してくれました。曰く「己の強い意志、思想、体験から発現する」ものだとのこと。“その人らしさ”が表れるってことですね。云われてみれば頷けます。
 基本的に「七つの大罪」の面々の魔力は、ディアンヌ以外ビジュアル的に分かりにくかったのですが、聖騎士の面々の魔力は雷とか風とか炎と分かりやすいので、今巻の戦いは見た目にもインパクト大。その意味でも今後の戦いが楽しみです。

 聖騎士には『金剛(ダイヤモンド)』『白金( プラチナ)』のような位階があり、その間の実力の開きはかなりのものがあることなど、細かい設定も幾つか明かされ、駆け付けたキングの場面で今巻は終わり。
 次巻、怠けがちな妖精王の本気の死闘となるでしょうか。気になりつつ、2か月後(たぶん)を心待ちにします。

 - 一画一会, 随意散漫 , ,

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