【一会】『七つの大罪 15』……窮地、打破、そして大窮地 | 漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

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【一会】『七つの大罪 15』……窮地、打破、そして大窮地

      2015/07/12

DVD付き 七つの大罪(15)限定版 (講談社キャラクターズA)

 いつも通り前巻から2か月で発売となりました、『七つの大罪』15巻。今回の限定版特典は強欲の罪(フォックス・シン)のバンの過去の一幕を描いた「バンデッド・バン」のアニメDVDということで、かなり豪華な感じです(そのかわりに値段もかなり豪華ですが)。
 今巻は、大きく分けて3つの局面が描かれていると云えるでしょう。1つはキャメロットに迫るキャメロットに迫る超巨大な魔動人形(ゴーレム)、巨獣アルビオンとの戦い、もう1つは同じく妖精王の森でのアルビオンとの攻防、そしてキャメロットに飛来した〈十戒〉の一角、「真実」のガランとの戦いです。

 前巻の終盤でひと騒動を巻き起こしてくれた色欲の罪(ゴート・シン)のゴウセル。彼(?)の反省と、その正体が明かされるところから今巻は始まります。
 そもそも“七つの大罪”のメンバーは1人1人異なる種族という法則がありそうなので、ゴウセルについても、なんとなく予想はついていた方が多いのではと思います。しかし、“実は○○だ”ということが明らかになっても依然として謎が残る感じがするのは、ゴウセルが何を考えているのか、今ひとつはっきりしないからではないでしょうか。
 ゴウセルの一件がひとまず落着し、束の間ゆったりとしたシーンでは、〈暁闇の咆哮(ドーン・ロア)〉スレイダーと暴食の罪(ボア・シン)のマーリンの奇妙な関係が披露されたりも。スレイダーはエリザベスとも、何だかお姉さまと妹分みたいな感じになってるし、独特な位置を占めつつありますね。

 キャメロットの危険を感知したマーリンの提言により、一行はキャメロットへ。巨獣アルビオンとの戦いに加勢することになります。
 そういえば、マーリンがキャメロットの様子を知った時の台詞にあった「アルダン」という言葉ですが、一部の伝承にあるマーリンの母アルダン(Ardan)か、あるいはラテン語の「ardere」(“燃える”の意)が元ネタでしょうか。今のところ術の名前なのか、道具の名前なのかも分かりませんが、何らかの意味がありそうです。
 アルビオンは、その闘級が実に5500。アーサーの指揮で応戦するキャメロットの聖騎士たちは、各自の魔力の射程を考慮した総力戦です。
 ここで切り札として、マーリンが質屋から買い戻しておいたというメリオダスの神器、ロストヴェインがお目見えします。
 この刀身に5つ穴が空いた片刃の曲刀ロストヴェインですが、軽く調べた限り由来は分かりませんでした。語感としては北欧神話に出てきそう(レーヴァティンなんかに近いですよね)なのですが、どうでしょうか。単純な英語であるとするならば、“lost-vein”あるいは“lost-vain”かとも思ったり。前者なら“失われし血脈”で、後者なら“失われし空虚さ”とか、そんな感じの意味があるのでしょうか。メリオダスが発現したその特性からすると、どっちかと云えば後者の方っぽいですが、まだ詳細は不明です。

 いっぽう、怠惰の罪(グリズリー・シン)のキングとバン、そしてジェリコが滞在している妖精王の森。キングではなくバンが妖精王とされて微妙な空気が漂うここでも展開が。
 先々代あたりから妖精王に仕えてきたという妖精ゲラードが登場します。彼女(?)はバンを妖精王とは認めたくない様子。森の繁栄のためにとった手段をみるに、妖精には珍しくマキャベリズムを信条としているようです。
 鈴木先生の初期の代表作『ライジングインパクト』(100夜100漫第58夜)の主人公ガウェインによく似た福島弁の妖精、プオーラが楽しかったりしつつも、ここにも魔神族の兵器の手が伸びてきます。
 ここで頑張るのが、前巻で「王の資格なし」とまで云われてしまった元妖精王ハーレクインことキング。ヘルブラムが云うように、何でもかんでも王様に押し付けてきた妖精がやっと取り戻した誇りに甘えたらいいのかもしれませんが、ここはやっぱりキングの「全部守りたい」という言葉が響きます。それはもちろん甘い考えではあります。しかし、そんな甘い理想を目指すのが、王というものの一つの姿じゃないでしょうか。

 そして今巻の最終局面。国王が予言した「山の如き獣」の意味が明らかになります。
 キャメロットのメリオダス達の前に突如あらわれたのは、〈十戒〉の一員、「真実」のガラン。甲冑なのか素顔なのか分かりませんが、不気味な笑いを張り付けたような顔貌はまさに恐怖の具現。まだ女神族の封印が生きているようではありますが、闘級がまさに桁違いです。
 強大すぎる実力と、名にし負う「真実」という特性ゆえ、居合わせた実力者たちも大苦戦。“大罪”メンバーの大半が戦闘不能なのでは…と焦りを覚えつつ、更に謎を呼ぶあの人の高笑いで今巻の本編は終了、次巻に続きます。

 番外編「ハーレクインとヘルブラム」を挟み、巻末では16巻の予告がなされています。気になる本編に加え、次巻もオリジナルアニメDVDが付いた限定版もありとのこと。興味のある方は予約がいいかもしれません。
 巻数も多くなってきたし、次巻刊行予定の8月12日まで、これまでの物語を把握し直しつつ、楽しみに待ちたいと思います。

 - 一画一会, 随意散漫 , ,

 

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