【一会】『魔法陣グルグル2 2』……魔王とグルグルと、大人になるということ | 漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

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【一会】『魔法陣グルグル2 2』……魔王とグルグルと、大人になるということ

      2014/08/03

魔法陣グルグル2 (2) (ガンガンコミックスONLINE)

 例によって少し経ってしまいましたが、これは書かねばなりますまい。
 一度は世界を救っちゃった(100夜100漫第28夜)勇者ニケとグルグル使いククリの、二度目のへっぽこ冒険道中も2巻目。前作から登場し、前巻終盤でまさかのパーティー入りを果たしたキタの街の兄妹ザザとミグ、おなじみ風の精霊(?)ギップルとともに旅は続きます。
 といっても、相変わらずのノリなので旅の進み具合ははかばかしくない様子。ジラン大陸に渡るため港町マズロカを訪れますが、そこで魔王の魔方陣に触れたために呪われてしまったり。そのこともあって魔法オババを頼って故郷ジミナ村まで戻るなど、まだまだ前途多難な様子です。

魔法陣グルグル2 (2) (ガンガンコミックスONLINE)

魔法陣グルグル2 (2) (ガンガンコミックスONLINE)

 どうにか海を渡り、ピリカラ村の魔法使いココルデの助力やらサビーナ王国での惨劇(笑)もあって、絶大な魔力を持つ魔神の力を得るためにサビーナ山のダンジョンを目指すところまでが描かれる今巻ですが、気になる要素が結構出てきました。
 まずは新たな魔王との接触。今度の魔王はククリと同じ“子供部屋の魔法(ナースリー・マジック)”であるグルグルを使うとされていますが、その実力の一端が垣間見られるとともに、まさに子どものように遊び好きな性格をうかがわせるエピソードとなっています。
 次に幻のグルグル「かみさまのもよう」。相変わらず作者はグルグルの名前の付け方が巧いです。前作の「恋するハート」のように魔王に対抗する切り札となるか、あるいは既に魔王の手に落ちているのか、気になるところです。
 さらに、もう一つ気になるグルグルとして「おともだち召喚」の魔法陣があります。ククリがこの魔法陣を習得したことで、離れた場所にいても仲間を呼び出せるようになりました。ということは、前作で出会った人々も登場する可能性が高いですし、決戦は多くの味方が助けてくれるドラマチックなものになるかもしれません。

 そして。
 『グルグル』を知る者なら誰もが待っていた(というか何と言うか…)、あのキタキタ親父が満を持して登場します。恐ろしいことに主役を張った(魔法陣グルグル外伝 舞勇伝キタキタ)だけあって、今回も強力な踊りで呪われた街を解呪したり、知らぬ間に魔族を貶めたりの活躍ぶり。今回もこのままニケたちを喰うくらい見せ場があるんでしょうね。。

魔法陣グルグル2 (2) (ガンガンコミックスONLINE)

 前作からわずか2週間後の物語ということで、シュールでおっさん臭くて、それでいてメルヘンチックというカオスな作風は前作そのままの、まことにシームレスな続編です。絵柄的にも変化が落ち着き、前作中盤くらいをベースに新しさも感じるという絶妙なバランスになっていると云えるでしょう。
 前作の直後とはいえ、ニケもククリも確実に大人になっていくわけで、これは特にグルグル使いであるククリにとって重要な意味があると思います。子どもでなくなった自分のアイデンティティとしてのグルグル(=子どもであること)を彼女がどう捉え直し、そしてニケがどう支えてあげるか、というあたりが今回の大テーマなんじゃないかと自分は思います。
 というか、これはもう夫婦の在り方みたいな印象すら受けますね。前作から読者の時間では10年経っているわけで、こういう感想を抱くあたり、当時中高生だった自分も大人になったんだな、と少し苦笑いの気持ちです。
 次巻はあのプラトー教のルナーさんが登場とのこと。懐かしくも新しい冒険を、引き続き楽しみたいと思います。

※今回は版元さんがAmazonさんに表紙だけでなく“なか身”のデータも幾つか上げて下さっていたので、視覚的に紹介することができました。ありがたかったです。

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