漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 随意散漫 」 一覧

【一会】『Pumpkin Scissors 20』……蜈蚣のように殺し、厳として屠る

Pumpkin Scissors(20) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

 “帝国”とフロスト共和国の戦争によって生じた「戦災」への対処を旨とする帝国陸軍情報部第3課、通称「パンプキン・シザーズ」。“お祭り部隊”と揶揄される課にあって、真の戦災復興と正義とは何かを問い続ける貴族出身のアリス・L・マルヴィン少尉と、特殊部隊群「不可視の9番(インヴィジブル・ナイン)」所属という過去と自らの殺人衝動に慄くランデル・オーランド伍長を主人公に据えつつ、未だ残る貴族と平民の間の軋轢、周辺諸国との政治的関係、文明が進展していくことへの期待と不安といった要素も盛り込んだ「重量級ドラマ」なこの漫画の20巻が、先月17日に刊行されました。遅くなりましたが、読みましたので何がしか述べたいと思います。

 今巻も描かれるのは、前巻までに引き続き、“帝国”で開催された西方諸国連盟(ネヴュロ)合同会議の会期中に勃発した、“抗・帝国軍(アンチ・アレス)”によるテロとの戦い(というより、もはや大規模市街戦)です。情報部上層の面々の機転、現場の個々人の奮闘により、“帝国”は大ピンチからはどうにか脱しつつある様子ではありますが、アンチ・アレスの高機動装甲車“蠍の類型(グラフィアス)”はまだ5輌が健在。これに対してオーランド伍長は相変わらず単身で血みどろの戦闘を続け、陸軍情報部は切り札「ジャガーノート」を投入して対抗を試みます。

(さらに…)

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【一会】『七つの大罪 19』……“傲慢”かまして、おやりなさい

 中世イングランドを思わせるブリタニアを舞台に、騎士団〈七つの大罪〉や聖騎士達と、〈十戒〉なる魔神たちを筆頭とする魔神族との戦いが繰り広げられている『七つの大罪』。予告通り先月17日に19巻が刊行されました。今巻の限定版付録は手帳型スマホケース。スマホはあれどケースは使わ……

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【一会】『プリンセスメゾン 2』……シャンソン人形とヘドバンと

 居酒屋「じんちゃん」に勤める年収250万円ちょっとの沼越幸(ぬまごえ・さち)。彼女の“運命の物件”探しを中心に置きつつ、それ以外の女性の“住まいと孤独”についてのエピソードも散りばめた『プリンセスメゾン』の2巻が、先ごろ発刊されました。物件探しの実際的なポイントを押さえ……

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【一会】『少女終末旅行 3』……“終わり”に臨む心構え

 割と絶望的な未来の世界を舞台に、黒髪黒瞳・しっかり者のちーちゃん(チト)と、金髪碧眼マイペースなユー(ユーリ)の、履帯式牽引車両ケッテンクラートに揺られる、奇妙にゆったりとした旅路を描いた『少女終末旅行』。予想よりも少し早く、このほど3巻が刊行されました。さっそく読んだ……

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【一会】『魔法陣グルグル2 5』……勇者さらわれる。乙女パーティ結成

 シロップと粉砂糖たっぷりのパンケーキにハーブティー、そこに何故か具がたっぷり入った豚汁というセットメニューをダンスフロアでいただくような、RPG風メルヘンチックアドベンチャー漫画『魔方陣グルグル2』。先日新刊が発売となりました。  幻のグルグルと云われる「かみさま……

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【一会】『坂本ですが? 4(完)』……別れにパイを、ハンドサインに祈りを。

 完全無欠気味な高校1年生・坂本君のエレガントさと、それによる周囲の人々の改心や再起を描いたスタイリッシュ系人情ギャグ漫画『坂本ですが?』。およそ1年ぶりの刊行となった4巻で無事完結となりました。 (さらに…)……

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【一会】『白暮のクロニクル 7』……迫る未年の終わり、まだ視えない真相

 非常な長命と不死性を有する“オキナガ”と、それを管理する厚生労働省夜間衛生管理課(通称やえいかん)が存在する世界。夜衛管の新人・伏木あかり(ふせぎ・――)と、88歳にして外見は少年な“オキナガ”雪村魁(ゆきむら・かい)の2人が、未年ごとに若い女性を殺害する連続殺人者“羊……

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【一会】『七つの大罪 18』……死ねなくなった“狐”の肖像

 ブリタニアの存亡をかけ、騎士団“七つの大罪”や聖騎士達と、“十戒”を筆頭とする魔神族との大きな戦いが始まらんとしている『七つの大罪』。先日18巻が刊行となりました。  今回の限定版付録は、昨年12月刊行の12巻の時と同様カレンダーです。去年は日めくりでしたが今年は……

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【一会】『乙嫁語り 8』……不器用娘に、春よ来い

 2月の7巻から10か月で刊行となりました『乙嫁語り』8巻。予想より少しだけ早く出たようです。19世紀中央アジア各地の民族の生活や乙嫁(美しいお嫁さん)について、物語的にも絵的にも丁寧に描かれた漫画です。  今巻の大半は2巻から登場しているパリヤのエピソードです……

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【一会】『進撃の巨人 18』……明かされた過去と胸中。そして決戦へ

 予告通りの刊行となった『進撃の巨人』18巻。今巻の限定版はサンタ服を着たエレンの“ねんぷち”です。季節を選びますが、机上のマスコットとしてはなかなか良いかと。  本編の内容はといいますと、ヒストリアを中心とした政治劇から、再び壁と巨人をめぐる攻防に話が移ってきた感じで……

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