漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

*

「 一画一会 」 一覧

【一会】『白暮のクロニクル 10』……イヴの決着

白暮のクロニクル 10 (ビッグコミックス)

 厚生労働省の夜間衛生管理課(通称「やえいかん」)の新人・伏木あかり(ふせぎ・――)と、その夜衛管が管轄する不死人種“オキナガ”の少年(に見えて中身は88歳の“ご老人”)雪村魁(ゆきむら・かい)。このバディを中心に、12年ごとに女性を惨殺するシリアルキラー「羊殺し」の追跡を描くファンタジック社会派ミステリ『白暮のクロニクル』も10巻が刊行となりました。まぁ、刊行は1月末(2月?)の話なのですが、ようやく概要と感想を書き留めようと思います。

 あかりの行方が分からなくなり、不穏な空気が流れていた前巻ラスト。今巻の物語はその少し前、クリスマス・イヴ直前の夜から始まります。
 先輩職員の気遣いで早めに職場を後にしたあかりが向かったのは新宿。先日からオキナガ登録をめぐって彼女に接近している、あやしげなオキナガ桔梗凪人(ききょう・なぎと)と会って、登録を促そうと考えたのでしょう。
 桔梗の云うところの2人の「デート」は、映画(これは…『シ○・ゴ○ラ』?)に喫茶店という王道コース。王道というか昭和コースって感じかもしれませんが。550歳だという古いオキナガである桔梗の、現代へのキャッチアップはその辺りで止まっているのかもしれません。
 喫茶店で、あかりは桔梗に「長命者登録申請書」を書かせようとします。話の流れから、桔梗の過去がちらり。まだオキナガにナリアガる前の彼には、お姉さんが居たようです。
 書類完成のためには現住所を確認しなければ、ということで、あかりは桔梗とともに彼の現在の住処へと向かいます。前巻から読んでいれば嫌な予感がぷんぷんなのですが。
 果たして、ここで桔梗の正体が明かされます。ここではぼやかしておきますが(果たしてぼやかしになっているのか疑問ですが)、彼はまさしく「最重要参考人」と云っていいでしょう。

(さらに…)

広告

広告
thumbnail

【一会】『いぬやしき 8』……意識不在の決戦

 普通の人間だった初老男性と男子高校生が、異星人が起こしたアクシデントによって高性能のアンドロイド化。一方は人を救い、一方は人を殺すという両極に振れた彼らの対比と対決を描く『いぬやしき』の8巻が、1月に刊行されました。色々あって4か月も経ってしまいましたが、その概要と感想……

thumbnail

【一会】『魔法陣グルグル2 7』……そして魔王となったもの

 基本はファンタジー&メルヘンだけど、随所に滲む日本の観光地のお土産屋さん的な(良く云えばアットホーム、悪く云えば所帯じみた)雰囲気が特徴的なRPG的冒険譚の続編『魔方陣グルグル2』。1月末に7巻が出ました。初代から数えて3度目のアニメ化も決まったとのことで盛り上がる中、……

thumbnail

【一会】『アルテ 6』……まずは自分の場所で

 ルネサンス末期の16世紀。その古典文化復興の中心地となったイタリアの、男社会な絵画界に、ひとり飛び込んだ貴族の娘アルテを描く絵画修行漫画『アルテ』。1月に6巻が刊行となりました。読んで思ったことを書きたいと思います。  師匠レオのアトリエに住み込んで研鑽を積んでい……

thumbnail

【一会】『双亡亭壊すべし 3』……人は、辛い過去の奴隷ではない

 東京都豊島区にある“おばけ屋敷”、双亡亭が引き起こす奇怪な凶事と、そこに巻き込まれ、これを破壊せんとする人間たちのドラマ『双亡亭壊すべし』の3巻が、1月に刊行されました。ついに双亡亭内に侵入した駆け出し絵描きの青年・凧葉務(たこは・つとむ)と魔を払う〈刀巫覡(かたなふげ……

thumbnail

【一会】『七つの大罪 24』……情を知った弱さ、それを捨てた強さ

 騎士団〈七つの大罪〉を筆頭とする人間側と、〈十戒〉の率いる魔神族との戦いを描く鈴木央的アーサー王物語『七つの大罪』。昨年12月に24巻が発刊されました。3か月遅れとなりましたが、色々と書いてみたいと思います。  ちなみに今巻の限定版付録である「いろはかるた」は、今年の……

thumbnail

【一会】『乙嫁語り 9』……同じ方を見ている2人

 昨年暮れに出た、中央アジア諸方お嫁ストーリー『乙嫁語り』の第9巻。だいぶ遅くなりましたが、つれづれ感想などを書きたいと思います。  前巻に続きまして物語は、手先も態度も不器用系なパリヤのエピソードです。  アミルの実家ハルガルの襲撃により家がほぼ全壊し、以来アミ……

thumbnail

【一会】『月影ベイベ 8』……母への想いと告白の舞

>  富山県富山市八尾に伝わる、越中おわら節に乗せて人々が舞う祭「おわら 風の盆」。その「おわら」をモチーフに、高校生の佐伯光(さえき・ひかる)と峰岸蛍子(みねぎし・ほたるこ)、光の伯父にあたる佐伯円(――・まどか)らの関係を描く『月影べイベ』。8巻が出たのも昨年の話に……

thumbnail

【一会】『進撃の巨人 21』……命の選択、“壁の外”の来歴

 やはり前巻の予告通りの発刊時期となった『進撃の巨人』21巻。遅くなりましたが、読んで思ったことなど書いていきたいと思います。  決着が近づくウォールマリア奪還戦。前巻において、どうにか敵主力の多くを打倒した人類側ですが、支払った代償もまた大きなものでした。大多数の……

thumbnail

【一会】『少女終末旅行 4』……おしまいを歌うものたち

 静かに終末を待つ未来世界。黒髪黒瞳・しっかり者のちーちゃん(チト)と金髪碧眼マイペースなユー(ユーリ)が、履帯式牽引車両ケッテンクラートに揺られつつ、呑気なのか深刻なのか分からない旅を続ける『少女終末旅行』。昨年11月に4巻が刊行されましたが、ようやく概要と感想を書きま……

広告

広告