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【一会】『魔法陣グルグル2 7』……そして魔王となったもの

魔法陣グルグル2(7) (ガンガンコミックスONLINE)

 基本はファンタジー&メルヘンだけど、随所に滲む日本の観光地のお土産屋さん的な(良く云えばアットホーム、悪く云えば所帯じみた)雰囲気が特徴的なRPG的冒険譚の続編『魔方陣グルグル2』。1月末に7巻が出ました。初代から数えて3度目のアニメ化も決まったとのことで盛り上がる中、だいぶ遅くなりましたが概要と感想を書こうと思います。

魔法陣グルグル2(7) (ガンガンコミックスONLINE)

 魔王のもとにさらわれた勇者ニケを奪還したククリたち。しかしニケの身体は呪いに蝕まれていました――いや、そんなにシリアスな話でもないんですけど。ただ、ククリ、ジュジュ、デキルコと女子が多めなパーティーの中、夜になるとチョイ悪系な“龍”になってしまうニケの呪いは、なんだか三角関係の火種として作用してしまった模様。急接近したニケとジュジュに、ククリのジェラシーは何故か変態的な出で立ちのおっさん(というか愛の使者)を呼び寄せたのでした――という辺りから、今巻はスタートです。

魔法陣グルグル2(7) (ガンガンコミックスONLINE)

 衝撃の一夜が明けて、“龍”の時の記憶が無いニケは暢気なものですが、ククリとジュジュはまだショックが尾を引いているようです。ククリに横恋慕している自称「魔界のプリンス」レイドがまた勘違いしてモーションをかけていますが、やっぱり蚊帳の外。最新魔法でニケに戦いを挑みますが、面倒くさがりが使うと能力補正がかかるという「勇者のさすまた」で遠ざけられてしまいますし、やや可愛そうかも。ついでに勘違いでククリも遠ざけられてますし。
 ククリのアブノーマルな提案がジュジュを驚かせたり、ニケの本心にククリが涙したり、ククリとニケがお互いを「わかんないなぁ」と思ったりと、引き続き甘酸っぱさ多めなやり取りが繰り広げられますが、結局、“龍”の呪いはニケの知るところに。それでも「カッコいいから」と気にしないところは、さすが勇者と云うべきなんでしょうか。

 ともあれ、ようやく一行は平常運行になった様子。デキルコは「使命を果たしたので帰る」と云って離脱してしまいますが、残りの面々(キタキタ親父のぞく)は、以前ククリが呼び出したキノコの形をした精霊っぽい何か(本名フライアウェイきの子)が出したヒントから「空飛ぶ魔方陣」を発見、その力で次なる目的地「愛の町エボル」へと向かいます。空飛ぶ姿が折り目正しすぎるのが変ですけど。
 到着したエボルの町で、勇者だと名乗ったニケたちは歓待を受けます。しかし、勇者だと云えば、引き替えに厄介事を頼まれるのはお約束。頼まれたのは、「若い世代がたしなみとして体験するためのまったく安全なダンジョン」だという「スポーツダンジョン」に出る――というか、出てると云いますか、ともかく誰かの“落とし物”を片付けるというもの。気が進まない点に目をつぶれば、別に勇者以外でも達成可能な気がしますが、ともあれ頼まれ事はさっくりと終了です。

 ニケとさすまたの活躍(?)により、町名物のダンジョン祭りは3日後に行われる運びとなりました。せっかくなので参加して欲しいと云われ町に残った一行は、エボルが愛の町だと呼ばれる所以である「愛の女神像」を見たり、依然として夜になると“龍”になってしまうニケにあたふたしつつ、どうにか祭の日を迎えます。
 開催されたダンジョン祭は、何というか子供会の催しのような趣きのイベントでした。近所の父兄が扮したモンスターに、子どもたちが布でできた「スポーツ剣」で戦いを挑むという、ほのぼのした祭のさなか、例によってキタキタ親父がらみのトラブルによって「スポーツダンジョン」は崩落、町長の娘コリーヌとククリは「スポーツダンジョン」の下にある「本当のダンジョン」に落下してしまいます。
 キタキタ親父の踊るキタキタ踊りは、もともと魔神を呼び出す魔方陣を封印した神聖なものだったはず。女神様に見せても問題ないと思うのですが。やはり、本来は女の子の踊りであるのに、スネ毛を生やしたオジサンが踊っているのがいけないんでしょうかね。

 一方ニケ達と別れたデキルコは、以前からちょっと“いい関係”になりかけているレイドと再会、「おもしろいから」と魔王軍のアジトまで同行したりしていました。さすがのフリーダムぶりです。
 そこで対面した闇魔法使いカヤは、ククリと同様デキルコも脅威と認めた模様。そう認識しながら攻撃しなかったカヤは、割と武人ぽい性格と云えるかもしれません。
 傍らに居るデキルコが気になっていながらも、「フリルを着た女の子」のワードに反応して、レイドもまたデキルコを伴いエボルに向かいます。

 「本当のダンジョン」こと「怒りのダンジョン」で目覚めたククリは、同じく落下してきたコリーヌから、ここに眠っているのは「世界最大の失恋」だと聞かされます。町長が云うには、「怒りのダンジョン」を封印するために「愛の女神像」が作られたとのこと。祟り神のような扱いの「怒りのダンジョン」ですが、どういう「怒り」なのか気になります。
 コリーヌの意外な善戦で、ククリ達はモンスターとの緒戦を切り抜けますが、なんだか抽象的なモンスター“わるいひと”にまさかの苦戦。合流してきたニケの機転でどうにか勝利できましたが、やっぱりキタキタ親父のおかげで微妙な後味が残りました…。
 「怒りのダンジョン」に眠る「世界最大の失恋」。そこにミグミグ族的なものを感じたククリとニケ達は、ダンジョンの奥へと進みます。

 唐突に、幼い少女が描いたような“物語”が挿入され、ダンジョン探索と並行するように綴られていきます。宝箱からは“物語”に登場する「シトラスちゃん」の装備が見つかり、“物語”の内容は、不穏さを帯びていきます。
 一方、宿に残って“知ってる姫”に授けられた秘儀の本「家でできることは外でもできる ただやってないだけ」を読んでいたジュジュは、これを読了することで新たな能力を手に入れます。それは、土地に刻まれた記憶を書物のように読む力。この力によって、ジュジュが触れたエボルの町の記憶は、綴られる“物語”と同一。そして、ついに彼女は魔王の正体に辿り着きました。
 真相を知ったジュジュは「怒りのダンジョン」に急行します。片やニケ達は「シトラスちゃん」の罠によって一挙にピンチに。
 “物語”の話者と思われる、塗り潰された名前の少女が、シトラス達の居場所を訊かれて応えた「(ダンジョンの)なかにいる」という言葉の恐ろしさと、巨大な謎の存在に出会ってニケが上げた「なんじゃこりゃ~っ!!」の叫びを残して、物語は次巻へと続きます。

 巻末の「オマケマンガ」は、例によって猫メインながら、3度目のアニメ化発表(改めまして、おめでとうございます)やDJイベントのルポ、漫画における「小細工」の楽しさなどを3ページに凝縮したもの。こちらも読んで、カバー下も確認し、さらにアニメの放映時期を確認しつつ(今夏とのこと)、ちょうどアニメの放映開始と同じ頃の刊行と思われる8巻も楽しみに待ちます。

※今回も版元さんがAmazonさんに“なか身”確認用サンプルデータも上げて下さっていたので、適宜使用させていただきました。



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