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漫画の感想やレビュー、随想などをつづる夜

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【一会】『いぬやしき 7』……殺戮のさなか、再びの邂逅

いぬやしき(7)【電子限定おまけ付き】 (イブニングコミックス)

 エイリアンと思しき存在が引き起こしたアクシデントにより、人智を超えたスペックのアンドロイドとなってしまった初老の犬屋敷壱郎(いぬやしき・いちろう)と、高校生の獅子神皓(ししがみ・ひろ)。彼らの活躍あるいは暴走を描いた『いぬやしき』の、前巻の予告からして嫌な予感しかしない7巻が8月下旬に刊行されました。だいぶ時間が経ってしまいましたが概要と感想を記します。

 今巻は、日本全体に対して宣戦布告した皓の力によって引き起こされるパニックの様子がメインといえるでしょう。「宣戦布告」という言葉は、戦争状態に入るという宣言ですが、皓の能力が現在の地球人類のそれを大きく上回っていますので、繰り広げられるのは戦争ですらない、一方的な虐殺に他なりません。
 皓がとった攻撃手段は、電波でした。原理は不明ですが、まずは新宿周辺を中心とした地域に、スマホを介して所持者を殺傷する力が猛威を振るいます。当然、被害は拡大していきます。某フリーアナウンサーを思わせるミヤノも、その攻撃対象から逃れることはできません。
 皓の幼馴染ながら壱郎に協力する安堂直行(あんどう・なおゆき)の機転により、スマホを介しての虐殺は一応、防御されることになりますが、それで終わるはずもなく。すぐさま次の一手を打って、皓は明日から1日に1000人を殺す、と何だか日本神話のイザナミのようなことを云い放ちます。

(さらに…)

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